ポリスマガジン07年5月号 時事放談記事から
POLICEチャンネル理事長の山田英雄氏が、「憂えなければ備えなし」と題して、テロに対する日本人の危機意識の乏しさをポリスマガジン2007年5月号の時事放談記事で語っています。これをご紹介します。
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危機管理に対する日本人の甘さを指摘した意義ある論説である一方、その対策に挙げているのは精神論と徴兵制だけである。
このような主観に基づいた社会政策がどの程度有効なのか甚だ疑問である。
以下具体例を挙げて個別にコメントする
・少子化について
山田氏は、若者の恋愛観と結婚観のせいで子どもが減っていると考えているようだが、数々の社会学調査が明らかにしているように、少子化は育児環境や不安定な雇用といった社会的要因から引き起こされる問題である。「結婚しなくてもいいや」といった心理状況も、社会環境により形成される。しかし山田氏は、それを理解していないようで、よくありがちな「俗流若者論」に沿った主張をしている。
・日本人は戦争を放棄したから繁栄した
山田氏は全面的に否定しているが、これは半分は事実である。ただし「日本が戦争を放棄したのに繁栄できたのは、アメリカの軍事的経済的世界戦略に協調したから」というもう一方の事実も指摘せねばならない。
・何も悪いことをしない日本人
テルアビブ空港の乱射事件を、山田氏はどう考えているのだろうか?
また、「何も悪いことをしない日本人」という発想はどこからくるのだろうか?では悪いことをしたのは何人なのか?
こういう発想が日本社会の外国人差別を生むのである。
・過去の貴重な教訓に学び、情報を収集して、的確な判断の下、遅まきながら組織的訓練をすべしという主張
山田氏は漠然としか述べていないが、これは徴兵制のことだろう。なにせ、「日本人は過去の貴重な教訓に学び」と言って、「戦後的感性を払拭」するのだから、少なくとも戦前の知恵に学ぼうと言っていることにはなる。山田氏は、現代の軍隊で徴兵した兵士がどの程度役に立つのかとか、そのために国防予算が異常に増大するだろうとか、徴兵制は社会の軍事化につながり、暴力の日常化への道を開きやすくするだろうとか、考えているのだろうか?
もちろん、「憂え」を持つことは必要だし、戦争に備えて核シェルターを都市部の駅に設置するなどの具体的対策は考えられる。ただそれは「貴重な過去の教訓に学ぶ」ことではない。
投稿者: マスターソン : 2007年12月28日 16:41
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