DVから逃れたい女性がするべき5つのDV対策

配偶者からの暴力であるDV(ドメスティック・バイオレンス)は、残念なことですが、現代では珍しいことではありません。離婚の原因の第二位が暴力だと、司法統計でも報告されており、重大な社会問題です。今回は、DVから逃れるために、女性がとるべきDV対策についてご紹介していきます。


DVから逃れたい女性がするべきDV対策

1.DVを受けていることを認める
DVを受けている女性がまず認識すべきなのは、自分は暴力をふるわれている犠牲者なんだ、と自覚することです。

長年にわたってDV被害にあっている場合や、
専業主婦で社会との接点があまりない場合などには、
夫から暴力をふるわれていても「私がいたらないから殴られるんだ」と考えてしまいがちです。

また、「暴力をふるったあと、夫は泣いて反省していた。もうこのようなことはないだろう」と認識が甘く、DVがどんどん過激になってしまうケースもあります。

DV加害者の典型的な行動に、「暴力をふるったあとの優しい行動」があるのですが、DV被害者になっている女性は、その優しさ自体がDVを繰り返すための典型的な行動だと気がついていないケースが多いのです。

まずは、悪いのは夫で、被害を受けているのは自分だと認識する必要があります。DV被害にあっていることを認めることで、「夫はいつか変わってくれるはず」と暴力に耐えることは間違っているときがつけるはずです。


2.DVの証拠を集めておく
「暴力をふるってくる夫からは離婚したい、でも離婚を切り出したら暴力を振るわれるに決まっている」となかなか離婚を言い出せない人も多いでしょう。

暴力をふるわれている場合、夫とふたりで解決しようとするのではなく、弁護士などの第三者を入れて話し合いましょう

話し合いで合意に至らない場合は、家庭裁判所に調停を申し立てることになります。
調停を申し立てることで、調停員という第三者を間にはさんで離婚について話し合うことができます。

調停でも合意に至らなかった場合は、裁判を起こすことになります。
裁判では、「婚姻を継続しがたい重大な自由」としてDV被害を訴える必要が出てきます。

DVを警察に訴える、またDVを理由に離婚や慰謝料を請求するときに必要となるのが「証拠」です。


特に、裁判は「証拠主義」です。
配偶者によるDVは、裁判で離婚事由に該当しますが、そのためには「DVが存在し、婚姻関係を継続しがたい」と裁判所に認めてもらう必要があります。


逆に、それが認められなければ、離婚なども認められない可能性があります。


DVの証拠として採用されるものには、

  • 暴力により負傷していることがわかる写真
  • 医師による診断書
  • 暴力をふるわれたときの状況がわかるやり取りの録音
  • モラハラなど、相手の暴言の録音
  • 第三者による証言

などがあります。

3.警察を呼ぶ/被害届を出す

暴力を振るわれたら、まず警察を呼ぶ、もしくは警察に相談することも考えましょう。 あらかじめ警察に相談や被害届を出しておくことで、「DVの証拠」にもなります。


被害届は刑事責任を追及する上でも重要です。
被害届を出せば必ず警察が捜査・逮捕をしてくれるというわけではありませんが、程度によっては即時の逮捕も可能となることもあります。


また、警察署の相談窓口にはDVを専門としている職員がいますので、接近禁止令の手配や、避難シェルターなど専門機関の紹介など支援が期待できます。


電話で相談したい場合は、警察相談専用電話「#9110」もしくは、下記の各都道府県警察被害相談窓口を利用してみてください。


4.警察以外の相談機関に相談

警察に相談するのは敷居が高い……というようなときには、専門の相談機関に相談するという手段もあります。


DVの相談機関は全国に設置されています。
こうした相談機関では、カウンセリングや一時保護、自立支援、警察への届出支援、法的支援など、様々な面でサポートを得ることができます。


「これはDVなのだろうか」と自信がないとき、「DVを受けているけれど、どうしたらいいかわからない」というようなときにも、相談することでアドバイスや支援を受けることができます。


警察以外の相談機関としては、男女共同参画局が運営するDV相談ナビダイヤルや、配偶者暴力相談支援センター、婦人相談所などがあります。


  • DV相談ナビダイヤル「#8008」(最寄のDV相談支援センターに転送)
  • DV相談プラス「0120-279-889」(365日24時間相談可)
  • その他相談機関

5.逃げる

身の危険を感じたら、まずは逃げることも大切です。


ですが、「逃げるといってもどこへ逃げたらいいのかわからない」「お金がないから逃げられない」などと躊躇するようなときには、まずは男女共同参画局が運営する「配偶者暴力支援センター」をはじめとする相談機関に連絡してみましょう。 (4を参考にしてください)


こうした支援センターでは、婦人保護施設や母子生活支援施設、民間シェルターなどの一時保護施設を紹介してくれます。


施設によって滞在の可否や期間が異なるため、よく相談してみましょう。


内閣府の配偶者暴力支援センター


6.夫を近づけさせない

夫から逃げたとしても「また探し出されて暴力を振るわれてしまうのでは」という恐怖感がつきまといます。


そういった状況を脱するためには、裁判所から接近禁止など「保護命令」を出してもらう必要があります。

保護命令とは、DV加害者による暴力を防止するため、被害者に近づかないように裁判所が命じることです。


この保護命令には6種類あり、適用されるものや期間はケースによって異なります。


  • 被害者への接近禁止命令
  • 子供への接近禁止命令
  • 子供への電話やメール・SNSなどの送信、GPSによる位置情報の取得の禁止命令
  • 親族などへの接近禁止命令
  • 退去等命令
  • 電話など特定の行為を禁止

これらの命令に違反すると、200万円以下の罰金、もしくは2年以内の懲役を科せられるため、非常に効力のある命令です。

※2025年5月31日までは「懲役」ですが、刑法などの改正に伴い、2025年6月から「拘禁刑」となります。


保護命令を申請するためには、「警察や相談機関への事前の相談」もしくは「宣誓供述書の作成」が必要です。



7.別れる(離婚する)

「暴力をふるってくる夫からは離婚したい、でも離婚を切り出したら暴力を振るわれるに決まっている」となかなか離婚を言い出せない人も多いでしょう。
そんなときは、弁護士など第三者を立てて話し合いをしましょう。


「弁護士に頼むお金なんてない」と心配されるかもしれませんが、DVなど特定侵害行為(ストーカー、児童虐待など)の被害を受けている場合は、「DV等被害者法律相談援助制度」を利用することができます。


相談者の経済状況や資力に応じて、費用の援助を受けることができる制度なので、条件に当てはまれば費用を安く抑えることができます。

協議でまとまらない場合は調停、それでも合意に至らない場合は裁判となります。


配偶者によるDVは、民法770条の「婚姻を継続しがたい重大な事由」として、裁判でも離婚が認められる要因です。
ですが、(2)で触れたように、裁判所にDVがあったことを証明する証拠が必要ですので、しっかり証拠は集めておきましょう。



さいごに

今回は、DV被害から逃れるための対策を5つご紹介していきました。DVは命を奪うことになりかねない犯罪行為です。

今現在被害に合っていて、どうしていいか分からない、という場合は、まずは警察署の生活安全課、または配偶者暴力支援センターに連絡してみましょう。

また、近年では夫婦間だけではなく、カップル間のDV、いわゆるデートDVも社会問題になっています。デートDVで悩んでいる方も、まずは専門機関に相談してみましょう。


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