警察官の階級とは?階級で就ける役職にも違いがある

警部や巡査など、警察官には様々な階級があります。


「階級の名前を多すぎてどっちが偉いのか分からない」
「地方公務員と国家公務員では就ける役職が違うってほんと?」
など、警察官の階級と役割について疑問がある方も多いと思います。


今回は、警察官の階級について簡単にご説明します。


警察組織に興味がある、警察官の階級の基礎知識が知りたい、
という方はぜひチェックしてみてください。


「キャリア」と「ノンキャリア」の違いとは?

警察官の階級についてご紹介する前に、警察官の身分を語る際によく登場する、「キャリア」・「ノンキャリア」について解説しておきましょう。

警察官になるためには、大きく分けて2種類の進路が存在します。

1つ目は、大学を卒業して国家公務員試験に合格し、警察庁に入庁するという進路。
採用後は、警察大学校と呼ばれる研修機関で、実務に必要な教育を受けます。

国家公務員試験は細かく分けると、「国家公務員試験I種」や「国家公務員試験II種」に分類されます。

国家公務員試験I種に合格して警察官(官僚)になった人が、いわゆる「キャリア」です。
国家公務員試験II種に合格して警察官になった人が、「準キャリア」と呼ばれています。


2つ目は、各都道府県の警察官採用試験に合格するという進路。

採用後は、警察学校と呼ばれる研修機関で、実務に必要な教育を受けます。
この進路で警察官になった人が、いわゆる「ノンキャリア」です。


つまり、「キャリア・準キャリア」は国家公務員、「ノンキャリア」は地方公務員ということになります。


「キャリア」と「ノンキャリア」では、階級のスタート地点や昇級のスピード、目指せる階級の最高位などに違いが生じます。

では、「キャリア」と「ノンキャリア」の大まかな違いがわかったところで、警察官の階級について見ていきましょう。

警察官の階級と役割。警視と警視正、どっちが偉い?
警察法第62条によって、警察官の階級は規定されています。

それによると、「警察官の階級は、警視総監、警視監、警視長、警視正、警視、警部、警部補、巡査部長、巡査とする」と定められています。

警視総監が一番偉い役職で、巡査がいちばん下です。

では、それぞれの役割を下の階級から順に説明していきます。

警察官の階級と役割1 巡査

巡査の役割は、各警察署の交番などに勤務することです。

警察学校を卒業した警察官は、最初に数年間交番勤務にあたります。一般市民に一番馴染みがあり接する機会の多いのは巡査でしょう


警察官の階級と役割2 巡査長

巡査として働きつつ、他の巡査に対して指導的役割を担うのが巡査長です。

階級として正式な名称ではありませんが、実務上存在する役職です。


国家公安委員会規則において、巡査長に関する規則が定められており、それによると「大学卒業後2年、または専門学校卒業後4年勤務し指導力を有するもの、または巡査部長昇任試験に合格したもの、勤務成績が良く実務経験も豊富なもの」のいずれかのなかから選考すると記載されています。


しかし、基準を満たしていないと巡査長になれないわけではなく、勤務年数が高卒採用から10年以上経ち、階級が巡査である場合は懲戒歴などがなければ上記のような選考をせず昇任させることになっています。


給与も巡査より高くなります。


警察官の階級と役割3 巡査部長

巡査、巡査長のネクストレベルの階級が巡査部長です。


巡査部長は、各警察署の主任や交番、駐在所の主任として職務に従事します。
部下である巡査や巡査長の監督、指導を行ったり、上司である警部補の補佐的役割を担っています。

巡査〜巡査部長までの階級が、最も現場の第一線で働く存在です。


「刑事」と呼ばれる階級は?

警察ドラマなどで、「●●刑事」と呼ばれるこの刑事とは、刑事事件を担当する警察官の事を言い、正確には「刑事」という階級名は存在しません。


刑事と呼ばれる警察官は、管理職以外の私服警官で、「巡査」や「巡査長」の階級にあたる警察官です。
また、刑事部長と呼ばれる警察官は、階級で言えば「巡査部長」に当たります。

巡査部長に昇進すると、年収はおおよそですが500万程度にはなると考えられます。

早ければ20代前半であっても成績や勤務態度によっては
巡査部長に昇進することは可能です。


警察官の階級と役割4 警部補

警部補は、警察署で現場責任者としての役割を担う「係長」に当たる役職です。


現場の第一線に出て動くというよりは、本部から司令を出したり、令状の請求をしたりなど、事務的な業務が多くなります。 年齢的には、30代・40代の人が多いようです。


警察官の階級と役割5 警部

警察署では「課長代理」に当たる役職です。
現場に直接関わることは少なく、現場指揮を統括する役割を担います
ちなみに、逮捕状の請求が可能なのは、警部の階位からになっています。


ノンキャリアの場合には、警部補として実務経験が4年以上あれば、昇任試験の受験資格が得られます。
キャリアの場合は、採用直後の研修と、交番実務を経て、試験なし昇任するため、最年少の場合23歳で警部になることも可能です。


警察官の階級と役割6 警視

警視は、警察署の「署長」や「副所長」、「課長」などととしての職務に従事します。
警察本部では「管理官」などの業務に従事します。

ノンキャリアの場合、警視になるには警部として6年以上の実務経験が必要になります。
一方キャリアの場合は、20代後半で警視の役職に就く人も多いようです。


警察官の階級と役割7 警視正

警察本部の「部長」や「参事官」、大規模警察署の「署長」などを務める、上級管理職です。

警視正に昇格すると、地方公務員であった場合でも、警視正からは国家公務員という扱いになります。


国家公務員試験一種に合格し、警察庁に採用されたキャリア組の警察官であれば、採用後15年で昇任します。
国家公務員試験二種合格組(いわゆる準キャリア組)の場合は、採用後25年で昇任します。


ノンキャリアの場合は、最速で昇任したとしても、50歳代のため、数も極めてすくなく、また、なれたとしてもすぐに定年を迎えてしまうことになります
そのため、警視正以上になろうと思ったら、ノンキャリア(地方公務員)ではなく、キャリア・準キャリア(国家公務員)として就職するのが現実的です。


警視と警視正の違いとは?
ノンキャリアとキャリアで対立する階級としてよく話題になるのが警視と警視正の階級です。

この2つは階級は違いですが、就ける役職にも大きな違いがあります。

例えば、警視は警察署署長になれますが、大規模警察署長にはなれません

大規模警察署長になれるのは警視正からです。

大規模警察署長とは、警察署署長(中小規模)の上に位置します。

また、大規模警察署とは警察署のおかれる地域の人口や犯罪の発生件数、繁華街の有無により中小規模ではなく、大規模と呼ばれるます。

同じ警察署長でも階級によって違いがあるわけです。

警察官の階級と役割8 警視長

警視長は、警察本部の部長です。

その他に、警察学校長としても主任される場合があります。


国家公務員一種の試験に合格したキャリアの警察官であれば、採用から22年後に、成績優秀者から順次昇任します。
ノンキャリアの場合は、この警視長が、就くことのできる最高位の役職になりますが、現実的にはノンキャリアで警視長を務めているひとはほぼいないと言われています。


警察官の階級と役割9 警視監

警察庁で「次長」、「局長」、「官房長」などを務めたり、警視庁で「副総監」などを務めたりします。


警視長に昇任した人は、基本的に全員警視監に昇任します。
警察庁職員としての警視監は、警視長と合わせて41名までという定員があります。


警察官の階級と役割10 警視総監

警視総監は、国家公安委員会が都公安委員会の同意を得、さらに内閣総理大臣の昇任を得て任命されます。


警視庁のトップとして、事務を統括し、警察職員の監督をする役割があります。 警視総監の椅子は1つだけです


最後に
今回は、警察の階級について説明してきました。警察は階級社会です。

どこまで上の地位につけるかは、キャリア・準キャリア・ノンキャリアかによって変わってきます。

すぐに昇進をしたいと考えるなら、国家公務員一種の試験に合格し、キャリア組として警察官になるのが最速の道だと言えるでしょう。
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